集合と位相II (2010年度後期)

前期の「集合と位相I」では集合を学び、「線型代数学」では和やスカラー倍といった、要素に対する演算という代数構造が付加された集合を考えた。一方、要素の間の"近さ"を記述する「距離」、より一般に「位相」という幾何構造を導入した集合を考えることで、対象の"繋がり"といった関係について、数学的な考察を行うことが可能となる。この講義では、距離空間と位相空間についての基本事項を理解し、幾何的な対象を数学的に記述する為の基礎を学ぶ。

具体的には、ユークリッド空間に始まり、距離から位相へと段階的な抽象化において、連続性や連結性といった直感的な概念が、どのように形式化され記述されるかを理解する。

連絡事項

  • 試験: 第3回 2/4 13:00-14:00
    • -- [[模擬問題>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology-preexam03.pdf]]
    • -- [[試験問題・解答>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology-exam03.pdf]]
  • 試験: 第2回 12/24 13:00-14:00
    • -- [[模擬問題>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology-preexam02.pdf]]
    • -- [[試験問題・解答>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology-exam02.pdf]]
  • 翻訳レポート問題 提出期限:12/10
    • -- [[問題文>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology-trans.pdf]]
    • [[解答例>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology-translation.pdf]]
  • 試験: 第1回 11/12 13:00-14:10
    • -- [[模擬問題>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology-preexam01.pdf]]
    • -- [[試験問題・解答>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology-exam01.pdf]]
  • [[理学部講演会のスライド>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/video/colloquium.php]]
    • 12月15日に行われた理学部講演会で、位相幾何学について話しましたので、そのスライドをおいておきます。興味のある人はどうぞ。

授業内容

**第12回(1/21) [#r45a80b2]

-Browder の不動点定理

**第11回(12/24) [#yc1db9f6]

-1点コンパクト化

**第10回(12/17) [#d82a73d5]

-位相空間の例

--射影空間

--行列のなす空間

**第9回(12/10) [#y5ccef91]

-直積空間、商空間の例

-位相空間における近傍

--内部と閉包

-ハウスドルフ空間

-コンパクト空間

**第8回(11/26) [#e3afd8bc]

-試験返却

-位相の強弱

-位相空間の構成法

--開基、生成する位相

--誘導位相、商空間、部分空間、積空間

**第7回(11/19) [#ja913204]

-同相の例

--立体射影

-位相的な性質

--連結成分の数・弧状連結性

---$[0,1]$と$(0,1)$が同相でないこと

---$S^1$と$\mathbb{R}$が同相でないこと

- [[演習問題>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology04.pdf]]

**第6回(11/12) [#hb5c77fd]

-距離空間から位相空間へ

-同相

-同相によって保たれる性質(連結性)

**第5回(11/5) [#l099ea65]

-開集合を用いた、連続性の言い換え

-連結性, 中間値の定理の拡張

-コンパクト性, 最大値の原理の拡張

-位相空間の定義

**第4回(10/29) [#lecb2b8f]

-点列による連続性と近傍による連続性の同値

-写像の連続性の判定

-開集合と閉集合

**第3回(10/22) [#z09eb205]

- 直積距離空間、部分距離空間

- ユークリッド空間における、様々な概念の抽象化

-- 近傍

-- 有界性

-- 点列の収束

-- 連続写像

- [[演習問題>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology03.pdf]]

** 第2回(10/15) [#sa209135]

- 集合の記法:量化子について

- $\mathbb{R}^n$のもつ様々な性質

- 距離空間の定義

-- 色々な例

- [[演習問題>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology02.pdf]]

** 第1回(10/8) [#f43b9940]

- ガイダンス

-- 成績評価: 試験3回(80%)+演習(20%)

-- 出席はとらない。途中入場・退出も、こっそりなら可

-- 演習の進め方: 原則として、前回の講義で配った問題を、次の講義の始まる前に早い者勝ちで黒板に書く。講義開始後、発表。

--- 発表すれば、およそ+5点。レポートを提出すれば、およそ+1点。

-- 班分け: 出席番号の末尾(0-9), 3年生, 4年生 の12班

- この講義で何を学ぶのか?

- 集合の記法についての復習

-- $\mathbb{R}, \forall x \in \mathbb{Z}, \emptyset, C^\infty(\mathbb{R}), f: X\to Y, g: x\mapsto y, \cdots$ など。

- [[演習問題>http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kaji/lecture/files/2010topology/basic-topology01.pdf]]