Outreach
Outreach/Lecture series
Talk "ゲームプログラマのための数学の歩き方 - スペクトルグラフ理論編", CEDEC2024, 23 Aug. 2024
Lecture "トポロジーの応用 — 具体例を通して(Applied topology through practical examples)", 名古屋大学集中講義, 27 -- 31 May. 2024
本授業では,トポロジーの諸科学・工学への応用について,いくつかのトピックを取り上げながら解説します.応用においては理論をアルゴリズムの形などに実装することが重要になります.そのためには離散的なデータ構造で対象を表現し,効率的な方法で処理することも視野に入れて理論構築を行う必要があります.本授業では,計算の視点を軸にして,実応用を通してこれらのプロセスを身につけることを目的とします.授業終了時に,以下が身につくことを目標とします。 (1)トポロジーがさまざまな分野の課題解決に活かされている具体例を知る.(2) 科学・技術・産業・医療など領域において,課題を抽出してトポロジーの問題として定式化する力を身につける.(3) 産学連携・異分野連携における課題やノウハウを知る.
In this course, we will explain various topics related to the application of topology in sciences and engineering. It is crucial to implement theories into algorithms to apply them to real-world problems. Hence, discrete data structures and efficient processing methods are necessary aspects of building the theory. This course aims to develop an understanding of these aspects through concrete applications, with a focus on the computational perspective.
The goal of this course is three-fold: (1) Acquire knowledge of concrete examples where topology is applied to solve problems in various fields. (2) Develop the ability to extract and formulate problems in various fields as topological problems. (3) Gain awareness of challenges and know-how in collaboration between academia and industry, as well as interdisciplinary collaborations.Lecture "ひと筆書きの散歩道", 2023年度九州大学公開講座「現代数学入門」,9 Aug. 2023
数学という学問は新しい理論や定理の発見を主たる目的としています。数学において新しい理論が作られる時、それはおよそ次のような流れを取ります。
1. 科学や実社会に現れる現象から新しい問題を提起し
2. それを記述する為の数学的な言葉・枠組みを導入し
3. その枠組みの中で多くの実験(計算)・検証を行って予想を立て
4. 予想に対して論理的な証明を与え
5. 同種の問題などに広く適用できるように得られた定理を改良する。
この講座では、「どのような図形が一筆書きできるだろうか?」という身近な問題を題材として、上に挙げた行程が実際にどのように進んでゆくのかを紹介します。この問題自体はよく知られていて、既に答えをご存知の方もいらっしゃるでしょう。そういう方にもこの講座を楽しんでいただけるように、随所で寄り道を交えながら、素朴な直感が厳密な数学の言葉で綴られるまでを散策してみたいと思います。Press Release 現代数学と折紙から生まれた新しい機構「メビウス・カライドサイクル」, 24 Apr. 2023. [折り紙展開図]
Talk "画像の位相的特徴量", 京セラ 先進研道場, 1 Feb. 2023
測定機器の進歩と低価格化により,写真などの2次元画像だけでなく,CTなどの3次元画像も比較的豊富に取得できるようになりました.同時に,得られた画像を活用する解析手法も発展を遂げ,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)をはじめとする深層学習の手法が高い性能を達成しています.しかし,CNNにもいくつかの問題点が知られています.
1) テクスチャーなど局所情報に敏感で,全体の形状を捉えるのが苦手.敵対的サンプルなど攻撃の原因にもなっている.
2) 学習に大量の教師データを必要とする.ラベルの不要な自己教師付き学習を用いても画像は必要で,プライバシー,著作権,偏見など倫理上の問題を抱える.
3) 説明性に欠ける.臨床などミッションクリティカルな場面で使いづらい.
これらを補うものの一つとして,パーシステントホモロジーと呼ばれる,位相幾何学を基礎とする画像特徴量が近年注目されています.本講演では,パーシステントホモロジーによる画像特徴量を深層学習と相補的に利用することで,上記の1)-3)が問題となる場面で有用性を示す例についてお話しします.講演者も開発者の一人であるオープンソースソフトウェアの紹介も交えつつ,なるべく実践的なお話ができればと思います.Video message, 3GTG class at Ibadan University, Nigeria, 12 Jan. 2023
Talk "ゲームプログラマのための数学の歩き方 - ベクトル解析編", CEDEC2022, 23 Aug. 2022
画像や曲面の上で定義された実数値関数(スカラー場)やベクトル値関数(ベクトル場)を扱うベクトル解析は、力学や電磁気といった物理を記述するのに必須の言語ですが、ゲーム開発においては、煙, 炎, 水などの流体・パーティクルエフェクトにとどまらず、メッシュ処理にも用いられる応用範囲の広い基礎概念です。色々な場面で現れるので見かけたことのある方は多いかもしれませんが、さてベクトル場を用いたアルゴリズムを実装してみようとなると、数式をどうコードに直せば良いかといった疑問に行き当たります。本講演では、ボリュームやメッシュの上でスカラーやベクトル量の微積分を扱うための基本を紹介した上で、ベクトル場のデザインによる、編集可能な流体表現やテクスチャ・毛並みの表現といった応用に触れます。昨年度の講演同様、技術の土台となる数学概念を独力で学ぶための参考にしていただければ幸いです。
Lecture, 山口大学集中講義, 22 -- 26 Aug. 2022
ギリシャ文明からルネッサンス,産業革命と,古代から数学は科学と技術の進歩を支えてきたが,いわゆる純粋数学の抽象化が進んだ現代では,他領域との関わりが薄れて来ているように見える.一方で近年でも,AIやブロックチェーンの背後にある基盤技術としての数学が注目されており,それに伴って新しい数学理論も生まれている.本講義では,主に情報科学分野におけるいくつかのトピックを通して,講師の専門とするトポロジーや幾何学が応用される様子を,また逆に,応用の要請から新たな数学が生まれる循環を示すことを目指す.数学のための数学ではなく,拡がりを持つ学問としての数学を,実例を通して知ることで応用に興味を持つことを目標とする.さまざまな数学応用について概観した後,機械学習・画像解析・形状デザイン・情報セキュリティーなどから具体的なトピックを選び,現代においてトポロジー・幾何学が社会実装されている実例を紹介する.後半では,参加者の興味を持っている理論の応用可能性の探索,また逆に,実課題からの数理要素の抽出と定式化の実践を試みる.Talk "三角メッシュ状の曲面・環状リンク機構の離散微分幾何学",日本ロボット学会 第 141 回ロボット工学セミナー ,online, 12 Aug. 2022.
Talk: 電気通信普及財団 第二回特別講演・交流会, 10 Feb. 2022.
CEATEC 2021 へ「メビウスのカライドサイクル」を出展, Oct. 2021.
Talk "ゲームプログラマのための数学の歩き方 - デュアルクォータニオン編", CEDEC2021, 24 Aug. 2021.
ゲーム開発において、3D空間の回転はクォータニオンを用いて計算することができます。スキニングなどにおいては、回転だけでなく平行移動も同時に扱う必要がありますが、これはデュアルクォータニオンと呼ばれる”数”を用いて計算することができます。行列でも回転・平行移動を扱うことは可能ですが、デュアルクォータニオンを用いると特に効率的な補間が実現できるという利点があります。本講演では、デュアルクォータニオンの仕組みを、デュアルナンバーという観点から説明し、「なんとなく使える」状態から「応用できる」ようになることを目指します。
Talk "データ格付けに必要な数学・有望な数学", デジタル・ニッポンの実現に向けたデータ格付け数理基盤に関するシンポジウム, オンライン, 14 Dec. 2020.
Talk "深層学習に「大局観」を持たせる試み", AI・データ利活用研究会 第15回, 大阪大学数理・データ科学教育研究センター(MMDS), オンライン, 4 Dec. 2020.
画像解析において深層学習は圧倒的な性能を誇るが,局所的な特徴に囚われやすく,それが原因で性能不良を起こしたり,画像に細工をすることで判断を誤らせることができてしまったりという問題を抱えている.本講演では,それを解消するひとつの試みとして,位相データ解析を融合する手法について紹介する.
JSTイノベーションジャパン2020大学見本市へ「エネルギー効率と制御に優れた環状リンク機構 (An energy-efficient closed linkage mechanism which has a single degree of freedom)」を出展, online, Nov. 2020. [video]
Talk "かたちと動きの数理基盤", CREST・さきがけ・AIMaP合同シンポジウム「数学パワーが世界を変える2020」, Tokyo, 1 Feb. 2020.
Interview "社会課題を見据えた応用数学を純粋数学の進歩にもつなげる", JSTさきがけ「社会的課題の解決に向けた数学と諸分野の協働」成果報告
Talk "How to teach topology to AI?", Arithmer seminar, Izumi garden, Tokyo, 16 Jan. 2020
Convolutional Neural Networks are proved to be very useful in various image-related tasks. However, CNN's are inherently shortsighted in the sense that they deal mainly with local information, which results in a deteriorated performance in some cases (e.g., Geirhos et al. ICLR2019). Humans, in contrast, use more global cues to recognise an object visually. Topology provides a way to bring these two approaches together. In this talk, I will discuss how persistent homology can be used to encode the global information of an image (or a volumetric data) in order to help CNNs to grasp the topology of the data.
Talk "まわれメビウス折り紙", 広がる数学X(第32回JST数学キャラバン), 岡山大学, 24 Nov. 2019.
九州大学オープンキャンパス模擬授業, 2020ヘキサフレクサゴンやカライドサイクルと呼ばれる、一枚の紙から 折 れ る おもちゃで遊んだことはあるでしょうか?一見すると王冠のできそこないみたいなカライドサイクルなのですが、不 思 議 な ことにくるくると動かし続けることができます。その背後には、幾何と代数が手を取り合ってまわる姿が垣間見られます。 彼 ら の 織りなす華麗なダンスをのぞいて見ましょう。
Talk "Design Shapes with Topology", 国立大学共同利用・共同研究拠点 知の拠点セミナー, 京都大学東京オフィス, 20 Sep. 2019.
たくさんのものの中から似ている形を探し出したり、粘土をこねて思い通りの形を造形したり、形に関しては、人間には簡単にできるのに、コンピューターで扱うのは難しいことがまだたくさんあります。急速にAIが進歩する中で、人間の直感の偉大さと不思議さあらためて実感させられる対象の一つと言えるでしょう。人間の持つ俯瞰的な空間把握を、コンピューターにも理解できるように厳密に記述することは可能でしょうか。数学の一分野であるトポロジーは、その一つの手段を提供します。この講演では、トポロジーを使って、形状やその動きを解析する研究について紹介します。特に、CGや工業意匠における三次元モデルのデザイン、折り紙・動力伝達の機構(リンク機構)の解析について、具体的な話題を通じて、現代数学が形状デザインに応用される様子をお話しします。
Talk "異分野連携ヒッチハイクガイド", 日本数学会 2019年度秋季総合分科会 数学連携ワークショップ Society 5.0と数学4 - AIやビッグデータが注目される現代における数学への期待から-, Kanazawa University, 19 Sep. 2019
講演者は学生の時からトポロジー・代数的位相幾何学を専攻し、 数年前までは産学連携など全く考えもしていませんでした。 いくつかのきっかけで異分野との共同研究に関わるようになり、 慣れない土地でときどき大怪我をしながらも、現在それなりに楽しく過ごしています。 基本的には個人で行動する数学者が、言語も文化も異なる異国へ出かけて行くとどんな経験をするか、 「よくある」エピソードを通してお話ししたいと思います。 数学者が産業や諸科学とどう関わってゆけるか、 モデルケースというにはあまり参考にならないかもしれませんが、 ごく個人的な体験からひとつの例を紹介します。
Lecture "Modelling the world with Mathematics", special lecture at Science Education Center for Gidted Student, Ajou University, 24 Aug 2019.
(1) What can we tell from data? (i)showcase of various applications of A.I. (ii) a classical example of Kepler and Newton: find scientific facts from data (iii) a social example: Markov chain (Hamburger share, Google's PageRank) (2) Can A.I. be creative? -- beyond just prediction -- (3) Danger of A.I. -- privacy, adversarial examples, and explainability --
Lecturer/Organiser 第29回JST数学キャラバン 拡がりゆく数学 in 福岡, Kyushu university, Fukuoka, 15 Dec. 2018. "まわれメビウス折り紙"
出前講義, 長崎北高校, 11 Oct. 2018.
Lecture, NCTS Course on Image and Shape Manipulation, National Taiwan University, 30 Jul. -- 17 Aug. 2018
Summer project on topological image analysis, 2018 NCTS Undergraduate Summer Research Program, NCTS, Taiwan, 23 Jul - 24 Aug 2018. (with Chun-Chi Lin and Mei-Heng Yueh (NTNU))
韓国の教育視察団受入, Ajou大学・韓国教育部・KOFACの主催する“2017 Supporting the Professional Development School for Mathematics Education"の一部として、数学教員・数学教育研究者・行政からなる視察団を受け入れ、大阪教育大学附属池田小中高の視察・京都教育大学でのミニワークショップ開催, 9-13 Jan. 2018.
Lecture "不思議な“数”の演算と図形の関係" at 数学キャラバン2017 拡がりゆく数学, 北海道大学, 12 Nov. 2017.
(高校生向け) 自然数,小数,有理数,実数,複素数…と多くの種類の数がありますが,一体その正体は何でしょう.様々な“数”に共通する一つの性質として,足し算や掛け算といった演算ができることが挙げられます.そしてこの性質こそが,数を便利な概念に,コンピューターを強力な道具に仕立て上げていると言えます.今回は,複素数やそれを拡張した数の演算を使って,図形を回転させたり変形させたりすることができるのを見ます.
Lecture at JST研究成果展開事業・リサーチコンプレックス推進プログラム「画像科学の最前線-基礎数理から医療応用まで」, KISTEC, 7-8 Oct. 2017
"大学での微分積分・線形代数再訪~ 画像と形状を扱うための基礎として": 画像と形状を扱う上で、実は大学初年級で学ぶ数学が活躍します。この講義では、画像を扱うという視点から、微分積分学と線形代数学を再訪します。
"形状の平均とは?~変形を扱うための数学": 「数」についての平均が考えられるように、「形状」についても平均を考えることができます。平均を中心に画像と形状を扱うための手法を紹介します。.
Advisor and Poster presentation at 第9回数学の祭典「マスフェスタ(全国数学生徒研究発表会)」, 関西学院大学, 26 Aug. 2017.
Lecture(教員免許更新講習) on graph theory for high school teachers, 11 Jun. 2017
Supervising talented high school students for 山口大学理学部主催サイエンス・サマー・スクール, 21-22 Jan. 2017.
Lecture "Maths predicts" on Markov process at the Yamaguchi Science Camp for high school students, 18 Jun. 2016.
Lecture course on graph theory and puzzles at the Yamaguchi Science Camp for high school students, 19-20 Dec. 2015.
Course on origami and Japanese culture at Multi-Cultural Festival, Applemore college, UK, 8 May 2015.
Course on origami and Japanese culture at Multi-Cultural Festival, Applemore college, UK, 9 May 2014.
Lecture "Seven Wonders in Mobius Strip" in "Natsuyasumi Junior Kagaku Kyoshitsu" for grade school students, 5 Aug. 2012
Talk "数学がつなぐカタチ - 幾何学的な形状補間法 -", CEDEC2012, Pacifico Yokohama, Aug. 20th 2012.
少数のキーフレーム(物体の形状データ)から、それらを補間する連続的なフレームデータを生成する技術は、フレーム補間とよばれ、アニメーション作成やインタラクティブな物体変形に使われています。ここでは、特に局所的な形状をなるべく保ったままフレーム補間を行うアルゴリズムを、背後にある数学に焦点を当てながら紹介し ます。技術自体の即効性よりも、アルゴリズムの発見法や数学者の物の見方について主にお話ししたいと思います。
Lecture "Weaving Polyhedra" in "Natsuyasumi Junior Kagaku Kyoshitsu" for grade school students, 31 Jul. 2011
Lecture(教員免許更新講習) on graph theory for high school teachers, 12 Jun. 2011
Talk about studying math at the university level for high school students at Ikeda Senior High School (associated to Osaka Kyoiku University) in Winter 2006.
Interview by the nonprofit organization Knowledge Gathering and Connection for the Researcher Zukan project, an initiative for connecting academic researchers with industry.