幾何学展開II (2011年度後期)

概要

「幾何学展開」は, 「幾何学展開I,II」という二つの講義を通して、幾何学の中でも位相幾何学と呼ばれる分野の入門的な事柄を扱う。

特に、この「幾何学展開II」ではホモトピーという概念を解説し、直感的には、時間に沿って徐々に変形することで図形を調べる、という考え方を学ぶ。

シラバス

修学支援システム参照

連絡事項

  • レポートを出題しました。1/11の授業時間を締め切りとします。
  • 2/1に期末試験を行います。問題と解答[View]

授業内容

第1回(10/5)

  • ガイダンス
  • 幾何学、トポロジーの考え方
  • 実世界への応用例

第2回(10/12)

  • 位相空間の復習
  • カテゴリーという視点
  • ユークリッド空間内の有限個の点集合について
    • 連結成分の個数が、同相類を判別する完全な不変量であること(c.f. ベクトル空間の次元と同型類)
    • 和集合の連結成分の個数に関する公式 (<=> 和集合の要素数の公式)

第3回(10/19)

  • 有限有向グラフの定義
    • 二つの有限集合 V,E と写像 i,t: E → V の組
    • グラフ写像、グラフ同型の定義(グラフのカテゴリー)
    • グラフの位相の導入(ユークリッド空間への埋め込みに依らない)

第4回(10/26)

  • グラフの行列表示
  • グラフの同型判定
  • グラフの同相判定
  • グラフの位相不変量I - 次数n (≠ 2)の頂点の数

第5回(11/2)

  • グラフの位相不変量II - オイラー数、連結成分の数、サイクルの数
  • グラフの行列表示から、位相不変量を計算するアルゴリズム

第6回(11/9)

  • ``面体''の定義と、その位相不変量
  • 5次完全グラフが平面的でない事

第7回(11/16)

  • 4色定理について(歴史、応用など)
  • 5色定理の証明
  • 立体射影( S^2 から一点を除いた空間と R^2 との具体的な同相写像)と地図投影法

第8回(11/30)

  • オイラー数の、多面体の形状への応用

第9回(12/14)

  • 正多面体の定義、条件を緩めて出てくる色々な多面体について(半正多面体、一様多面体、星形多面体など)
  • 正多面体の分類
  • 多面体に関する Gauss-Bonnet の定理
  • Poincare-Hopf の定理 ( Hairy-ball theorem )
  • 余談:結び目理論を使ったゲームの紹介: Region Select

第10回(1/11)

  • オイラー数に関する積分
  • ターゲット計数問題への応用

第11回(1/18)

  • ターゲット計数問題の具体例

第12回(1/25)

  • オイラー数積分に関する Fubini の定理
  • ターゲット計数問題への応用2

第13回(2/1)

  • 期末試験